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まぶしすぎない言葉を ~一晩寝かし法が有効~
夜中に書いたラブレターほど読み返して赤面する手紙はありません。あふれる思いを込めた手紙を投函(とうかん)前に読み返し、どうして昨晩はここまで書けたのかという経験をした人もいるでしょう。高ぶった気持ちのまま書きつづった文章は一方通行になったり、無整理のままであることも少なくありません。
メールカウンセリングでは、夜に作成した返信メールはその日のうちには送信せず、翌朝改めて読み返し修正してから送る工夫をしています。「一晩寝かし法」などと呼び、返信の専門性と客観性を高めるために欠かさず採用しているカウンセラーもいます。夜遅くに書いた返信ほど、カウンセラーの援助したい思いばかりが強調されていたり、ときには相談の内容を誤解し思い込みで返答を書いたりしている場合があります。
また、自らの日記を読み返すときほど、恥ずかしい思いはないともいいます。赤裸々につづった言葉になぜかまぶしさを感じ、とても昔の日記だけは一気に読めないという人もいるでしょう。自分の身体の内側から湧(わ)き出た言葉にもかかわらず、いざ改めて外から眺め直すと表現にまぶしさを覚えたり、言葉が鋭すぎたりするものです。
カウンセリングの「聴く技術」の一端として、リフレクションがあります。これは相手の言葉を変えずそのまま返答する方法です。例えば、相談者の「彼がとても憎い」という一言に、カウンセラーが「とても憎く思っているのね」と応答し、相手の気持ちとのズレを最小限にするものです。
しかし、ニュアンスを含んだ一過性の音声とは異なり、メールカウンセリングで相手の言葉をありのまま使っていくことは、先の言葉のまぶしさ、鋭さのある返信にもなりかねません。メールカウンセラーには、相談者が使った言葉を柔らかくソフトにも表現していくという独自の繊細さが求められます。
返信を一晩寝かして読み返し、そして相手のこころにまぶしすぎない応答をしていく、ここに音声による言葉のやりとりとは異なる独自性と工夫、そしてメールカウンセリングのやりがいと面白さがあります。
事例は、普段の相談活動をアレンジしたものです。
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