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百回のメールで寄り添う ~心開いた引きこもり男性~
引きこもる生活に入り六年が過ぎた二十四歳の男性からのメールです。
「昨日はやることがたくさんありました。まず朝から階段を使って運動しました。それからネットで調べ物をして昼ごはんの後に新聞を読みました。夕方までそちらへ送るメールの内容を考えていたら親が帰ってきたので自分の部屋にこもり、ネットゲームをしてから夜中の二時ごろに寝ました。ゲームはまだクリアできそうにもありませんし、やらなくてはならないことが多くて忙しかったです」
引きこもる若者は「忙しい」と語ります。送ってくるメールはいつも句読点や改行が少なく、何かに追い立てられているかのようです。一日の過ごし方に彼なりのこだわりがあり、それを守ろうとするほど、あっという間に時間が過ぎてしまう日々なのだと思います。世間一般の目から見ると、無為な生活と映るでしょう。
若者がここまでの話をしてくれるまで一年間。短い文のメールを約百回やりとりしました。最初のころは、死にたい気持ち、人への不信感だけがつづられた内容でした。家族や親せきから受ける無言のプレッシャー、世間の冷ややかな目など、引きこもる若者をさらに引きこもらせる中、行きつ戻りつする若者の思いに寄り添い、時間をかけてようやく日常生活の話題を交わせるようになりました。
意外に思うかも知れませんが、忙しそうに一日を過ごす引きこもりの若者は少なくありません。頭の中で思索だけがかけ巡り、自分の決め事にこだわり、またたく間に一日が終わってしまう。常識だけで判断してしまうと、引きこもる若者の心の中で渦巻く葛藤(かっとう)に寄り添うことはできません。
引きこもる若者が回復の糸口を見つけ出すまでには、長い時間が必要な場合があります。本人が本格的なサポートや治療を受け入れられるまでの間、準備としてメールカウンセリングによる支えは有効です。硬く閉ざした心にゆっくりと言葉をかけながら、引きこもりから回復までのプロセスにじっくりと寄り添う。メールカウンセリングならではの特色です。
事例は、普段の相談活動をアレンジしたものです。
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