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心の中にある安全基地 ~何もできない自分を世話してくれた誰かの存在~
あなたが安心できるところはどこですか?
実家、家庭、自分の部屋、いつも行く喫茶店、または、家族と過ごしている時、恋人と一緒にいる時、仲のよい友人といる時など・・・。
そこは、様々な課題に挑戦していく時のエネルギーの補給場所であり、疲れた時には、ゆっくり休息が取れるあなたの安全基地かもしれません。
●愛着と自立の関係
安全基地というのは、精神分析医のボウルビィが提唱した愛着理論の中に出てくる概念です。
生まれたばかりの赤ちゃんは自分では何もすることができません。お母さんやお父さんが手取り足取り世話をします。赤ちゃんも世話をしてくれるお母さんやお父さんを認識し始め、やがて愛着が形成されます。この愛着がしっかり形成されるほど、お母さんやお父さんは赤ちゃんにとって安心できる存在となり、そこに居れば安全が保障されていることを意識せずとも感じるようになります。
しかし、時間とともに赤ちゃんはお母さんやお父さんから離れることができ、そこを安全基地として興味ある外界へと探索行動を取り始めます。この時に愛着がしっかりと形成されているほど、不安がありながらも勇気をもってお母さんやお父さんから離れ、自分ひとりで行動することができるようになるのです。
時には、積極的に行動した結果、失敗して傷つくこともあります。赤ちゃんにとって、お母さんやお父さんの存在が心の中の安全基地になっていると、弱った自分を受け入れ、いたわり保護してもらうために、そこに帰り、気持ちを休め、エネルギーを補給します。その後、失敗にめげずに、再チャレンジしようという勇気や元気が出てくるのです。
●生かされている自分
あなたがもし、厳しい社会の荒波の中にいたとしても、自分の足で立って生活ができているとしたら、心の中にそういった安全基地がしっかりと存在しているからかもしれません。
そこはがんばった自分はもちろんのこと、傷ついた自分、弱った自分、だめな自分など、どのような自分でも受け入れ、肯定してくれる人や場所、または、そういった経験が心の支えとなり、安全基地として機能していると言えるのではないでしょうか。
家族や友人に悩みを聞いてもらい、解決はつかないもののすっきりしたり、気持ちが落ち着くことがあります。このように、普段は意識していないことが多いかも知れませんが、愚痴を言える身近な相手の存在が重要な安全基地なのかもしれません。
また、何かあっても、誰にも話すことなく、自分自身の力で落ち込んだ気持ちを回復させ、時には失敗を振り返り、反省することで糧にしていることもありますよね。
このような場合は、今までの経験から得られた心の中にある安全基地から、回復する為のエネルギーチャージを無意識にしているのかも知れません。
安全基地が心の中にしっかりと存在していると、意識しなくても、社会生活を送る上で遭遇するダメージの回復に役立つことがあります。
自分が何もできなかった赤ちゃんの時、記憶のない時から世話をしてくれていた誰かの存在を心は覚えているのかもしれませんね。
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