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自殺予防を目的として、ロンドンで電話相談「サマリタンズ」(Samaritans「よき隣人」の意味)が1953年に始まって約20年、東京で1971年10月1日に「いのちの電話」が創設されました。以来、「いのちの電話」は38年間休むことなく相談を受け続け、困難や危機にあって、誰ひとり相談する人もなく、自殺などの精神的危機に追い込まれる人たちが、再び生きる喜びを見いだしていかれる事を願いつつ、よき隣人として活動しています。
いのちの電話の「相談」では、一般市民のボランティアによる個人の善意に基づいて同じ目線で対話します(“よき隣人”型の援助)。そのため、相談員はまず、かけ手の話に耳を傾けます。そして、語られる内容だけでなく、話している彼らの辛さや、苦しさを自分のことのように共感しつつ受けとめます。相談員は、相談者の隣人として問題を一緒に受けとめ、お互いに対等な友達関係(be-friending)を築きます。
一方で、いのちの電話は、ボランティアによる電話相談の他に、社会のニーズに応えながらボランティア医師による電話医療相談・インターネット相談・ファクシミリ相談・自死遺族支援等の事業も展開しています。また、日本自殺予防学会と協力して日本自殺予防シンポジウムを開催するなど、常に自殺予防の重要性を各方面に呼びかけるとともに、出版物の刊行なども含め、啓発・普及に努めています。
現在、コミュニケーション技術は絶え間なく進んでいるとはいうものの、人間関係は決してよくはなっていません。むしろそれは、表面的で、不十分なものであるため、人は心から自分の思いを語ることができるような対話者をほとんど見出すことができずにいます。私たちは、本当に語るためには、親身になって聴いてくれる聴き手を必要としています。そして、そのような聴き手を見出すことは、けっして容易ではありません。みんなで生きるために、よりよい社会をつくるためには、私たち一人ひとりが力を出し合う必要があります。大げさな、偉いことをするのでも、専門的な知識・技術を使うのでもありません。困難や危機にある人の声に「耳を傾けて」ください。「クリックからはじめる自殺予防支援」が一人でも多くの「聴き手」を生み出すきっかけとなることを心より願っております。
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